ヤクルト藤本敦士内野手(32)が沖縄・浦添キャンプの8日、昨年までの仲間に勇気づけられた。昨季限りで現役引退した前阪神の赤星氏が訪問。赤星の顔を見つけると、藤本は思わず笑顔を見せた。「スーツが似合わないね。早くユニホームに着替えてくればいいのに」と、元同僚と握手をかわした。

 FAで移籍した藤本にとって、気疲れもあったのだろう。このクールは疲労のピークだった。「全く体がキレない」と表情を曇らせていたが、赤星氏の出現で、一気に気持ちが前向きになった。打撃練習の際も「(ネット裏で)見ちゃうと笑っちゃうので見ないようにした」と、疲れが吹き飛んだようだった。

 赤星氏の無念もエネルギーにする。「身近な人が引退して、衝撃的でしたし、僕も間近なのかなと意識した。あと何年できるか分からないけど、後悔しないようにしたい」。新天地での奮闘を誓っていた。【竹内智信】

 [2010年2月9日9時27分

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