5日にキャンプ地のチーム宿舎で転落死したオリックス小瀬浩之外野手(享年24)の「お別れの会」が8日、宮古島市民球場で行われた。練習後のグラウンドに献花台が設置され、岡田彰布監督(52)や選手、地元の住民ら約400人が遺影に最後の別れを告げた。

 会は、自宅のある西宮市内の葬儀場で営まれた密葬と同じ午後2時から始まった。小瀬さんがかつて登場曲に選んだブルーハーツの「電光石火」が流れた。「遺志を引き継ぎ、素晴らしい野球、試合をして優勝することを誓います」。村山良雄球団本部長(63)のあいさつに続き、岡田監督やコーチ、選手たちが1人ずつ、献花した。遺影は死の3日前、2日の練習中に撮影された。無邪気な笑顔が涙を誘った。岡田監督の目頭もぬれていた。球音ではなく、はなをすする音がキャンプ地に響いた。会が終わって、大引は遺影を見つめながらベンチに引き揚げた。

 チームは7日に宮古島警察署で遺体を見送った。現場としてはこの日のお別れの会、そして9日のオフまでを“喪中”ととらえ、10日からの第3クールで再出発。指揮官も一区切りをつけ、前を向いた。

 岡田監督

 実戦に向けてのスタートやし、逆に元気を出したらなアカン。今年1年はみんなで小瀬のためにやらなアカンのは当たり前のこと。徐々に吹っ切れてきたんちゃうか。おれ自身もどこかで区切ってやらなアカン。次のクールから今まで通りできれば、な。

 志なかばでこの世を去った戦友への思いを胸にしまい、再びボールを強く握りしめる。失意のどん底から岡田オリックスは立ち上がる。

 [2010年2月9日11時31分

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