日本ハム梨田昌孝監督(56)が、今季の「初振り」で捕手陣を追い込んだ。沖縄・名護キャンプの9日、紅白戦終了後、特守に飛び入り参加。ノッカーを務め35分間、休むことなくバットを振り、白球を浴びせ続けた。約5メートルの至近距離から行うなど、参加した5捕手は恐怖におののき、疲労で腰砕けにさせる猛烈指導で、第2クールを打ち上げた。

 野太い悲鳴が、球場に隣接するサブグラウンドに連呼した。「ツル、ホンマに足遅いな!」など痛烈なヤジを浴びせながら、速射砲のように梨田監督がバットを振り続けた。もう1人のノッカーは福良ヘッド兼打撃コーチ。首脳陣2トップの“ツープラトン攻撃”で、若手捕手の足腰を破壊した。今成は「メッチャきつい。ヤバイ…」と言葉が続かない。大野は「監督が来たので、驚いた」と言うサプライズで、マンネリ化するキャンプに刺激を注入した。

 福良コーチが1人で行う予定だったが「オレもいくわ」と電撃参戦したという。梨田監督は「捕手のノックが一番楽しい。防具を着けているとね」としたり顔で、悠然と引き揚げた。他球団の監督とは違い、ノックバットを握ることは少なく、寡黙に練習をチェックするのがスタイル。同監督は「珍しいっちゃ、珍しい」とヘタリ込む正妻候補たちを前に、涼しい顔だった。【高山通史】

 [2010年2月10日10時20分

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