阪神新外国人のランディ・メッセンジャー投手(28=マリナーズ)が9日、初の実戦形式で最速147キロをたたき出した。初めてシート打撃に登板。常に走者を置いた状況ながら桜井ら6人を相手に、マートンの右前打1本に抑えた。「低めに行ったし、内容は満足。球速も満足だよ。状態はまだ88~90%だけどね」。この時期としては上々の140キロ後半の球速に、ポスト・アッチソンと期待される男は胸を張った。

 やはり198センチ、112キロの巨体から投げ降ろす真っすぐはド迫力だ。まずは野原将を詰まらせて二ゴロに仕留めた。続く清水は高めで空振り三振だ。来日会見で「打たれるまでは初球真っすぐで押す。それも単打ぐらいじゃ変えない」と予告した、最速158キロの片鱗はたっぷり。その後も真っすぐ主体に押し、藤川俊は遊ゴロ併殺、桜井も二ゴロ併殺、上本は三ゴロと次々圧倒。最後に真っすぐをマートンに右前打されたが、真弓監督も合格点だ。

 「147キロ出てたね。この時期で球が荒れていない。(変化球も)チェンジアップがよかった。段階としては、早めにできている」。

 もっともかつてのチームメート藪恵壹投手(41=前ジャイアンツ)が指摘していたように、巨漢ゆえの課題も残した。走者一塁で藤川俊にモーションを盗まれ、二盗を許した。だが本人はどこ吹く風。「あの状況で走られても次の打者を打ち取ればいいこと。もちろん試合では修正するよ」と言い切った。登板予定の13日・日本ハム戦(宜野座)が最初の試金石。「ユニホームが違う相手なら勝ちたいし、より集中できる」。実力は本物か、注目のマウンドとなる。【松井清員】

 [2010年2月10日11時44分

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