西武工藤公康投手(46)が“城島育成法”で、銀仁朗捕手(22)を一人前に育てる。28日の巨人戦(宮崎サンマリン)で移籍後初実戦登板が決定し、21日はブルペン投球で調整。受け手が銀仁朗になると「左の強打者、2ナッシング。何を投げる」と要求。銀仁朗は「内角シュートで」と強気に応じるなど、声を張り上げた2人のやりとりがしばらく続いた。

 打者やカウントを想定して配球を考えさせ、見守ったコーチ、報道陣にも聞こえるようにして、捕手に重圧をかける。潮崎投手コーチは「工藤さんらしいコミュニケーション。城島(現阪神)の時にもやったやり方だね」と解説した。工藤は「何もやってないよ」と知らん顔だったが、ダイエー(現ソフトバンク)時代に若き城島を英才教育し、一流捕手に育てた手法と同じだった。

 城島を師と仰ぐ銀仁朗は「試されてるのかと思いました」と少しでも吸収しようと考えをめぐらせた。その工藤は新球も試し「フォーク系の落ちるボール。握りを変えただけ」というチェンジアップを6球投げた。若手を育てながら、レベルアップする。46歳のチャレンジに終着点はない。【柴田猛夫】

 [2010年2月22日8時33分

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