金封じで先発確定だ。日本ハム八木智哉投手(26)が25日、練習試合のロッテ戦(名護)に先発し、5回3安打無失点の好投を見せた。09年WBC韓国代表4番で、今季からロッテに新加入の金泰均(キム・テギュン)を2打席凡打に退けるなど、持ち前の打たせて取る投球を披露。先発ローテーション入りに当確ランプがついた。

 吹き荒れる強風にも動じず、八木が持ち前の投球を見せつけた。立ち上がりの1回2死三塁。09年WBC韓国代表の4番を務めた金泰均を打席に迎え、さらに集中力を高めた。初球にこの日最速137キロを投じるなど力も入った。内角直球で三ゴロに仕留め流れに乗ると、今季初の国内球団相手に5回無失点の好投だった。

 金には2打席目も外角低めの直球で併殺打と完ぺきに抑えた。八木は「打ち損じてくれました」と謙遜(けんそん)したが、今季対戦が見込まれる長距離砲に“先勝”。WBCで打率3割4分5厘、3本塁打と爆発した金に「今日は全然打てなかったので落ち込んでいます」と、白旗を揚げさせた。

 序盤はボールが先行したが、低めに球を集め丁寧な投球を心掛けた。「(状態は)あまり良くなかったですけど、低めに集めて内野ゴロも多かった。結果が出て安心しました」。当初は4回の予定だったが、球数が少ないため1回増やして5回無失点。最後まで集中力を切らさなかった。

 梨田監督は「ゴロを打たせようという投球だった。順調に仕上がっている。八木と武田勝というのは(先発の)頭数に入っている」と評価した。もともと構想にあった先発ローテーション入りに、あらためて合格点を出した。

 走者を背負ってからの投球など、今後の課題も分かっている。「1試合1試合、課題が出るのでステップアップしていきたいです」。新人王を獲得した06年以来の2ケタ勝利も視野に入れる左腕が、順調に開幕に向かっている。【石井克】

 [2010年2月26日9時55分

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