オリックスが「バファローズ」の名称を来季から変更する方向で調整していることが17日、分かった。新名称は一般公募で決める方針で、本拠地名の「大阪」も冠する予定だ。04年オフの球団統合で近鉄から引き継いだバファローズの名称は消滅する。ユニホームも大幅に刷新し、真の新球団として生まれ変わる。

 59年の「近鉄バファロー」に始まり、62年に「バファローズ」と改称され、半世紀近くも愛されてきた名称が今季限りで消える。オリックスは合併の象徴ともいえるチーム名をあえて消滅させることで、新球団として新たな出発を目指す狙いだ。

 すでに宮内義彦オーナー(74)の了承も得ている。新名称は91年の変更時と同様に、一般公募を経た上で球団サイドが最終決定することになりそうだ。

 05年からホームユニホームなどで使用する「Bs」(ビーズ)の略称が定着しているため、そのまま「ビーズ」を採用する案もあるが、「新生」を強調するため新愛称を用いることが濃厚で、「ブルーウェーブ」に戻す可能性は低い。

 88年に阪急を買収。3年間はブレーブスの名称を引き継いだが、91年にブルーウェーブに変更。95年からのリーグ連覇など黄金期を経験するなど神戸の球団として定着したが合併で再び、大きな変革を迎えた。

 近鉄は07年限りでオリックスの球団経営から完全撤退。合併以来、ユニホームの左袖に付けていた「近鉄」の広告もなくなり、在籍選手やスタッフをのぞけば“名残”は愛称だけだった。旧球団の名前を残すことが融合の妨げになるとの意見も球団内で根強く、チーム名変更は数年前から検討されてきた。

 オリックスは合併時に、本拠地を大阪と神戸のダブルフランチャイズとしたが、08年からは大阪に一本化した。来年は本格的に「大阪の球団」をアピールする節目と位置づけており、そのタイミングで名称変更に踏み切るとみられる。また、球団名も初めて地域名を冠し「大阪オリックス」にする可能性が高い。

 旧近鉄ファンの落胆は予想されるが、球団幹部は「近鉄ファン、オリックスファン、大阪や神戸の人々など、複雑な思いや事情がある。それらを踏まえて慎重に話を進めないといけない」と話す。球団繁栄のため、名実とも「大阪のオリックス」に生まれ変わる。2日後にはバファローズのラストイヤーが開幕。岡田監督のもと変革の道を突き進むオリックスの戦いが注目される。

 [2010年3月18日9時2分

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