阪神ベンチは勝負の夏を前に、いろんな打順の可能性を試しいているのかもしれません。ただ森下、佐藤、大山の中軸に関しては、動かさない方が良いように思います。3人とも調子が悪いわけではありません。逆に調子が悪くなる可能性をはらんでいるからです。
不動の1番だった近本が故障離脱し、得点力が低下しての苦肉の一手だと思いますが、一番の懸念は3人のリズムが崩れることです。ここまで「森下2番、3番佐藤、4番大山」の並びが計6試合。外見上は3、4、5番が1つずつ繰り上がって2、3、4番になるだけで、2巡目以降は元の3、4、5番と同じだと思われるかも知れません。
でもその打順を任された本人たちは、大きな役割の変化を感じます。たとえばかえすことを期待されていた3番が2番になると、出塁やつなぎに重きを置いた打撃になる。私自身も現役時代は、打順が日替わりになると、昨日はこの役割、きょうはこの役割と、なかなかリズムがつかめないタイプでした。心理的な影響もあり、打撃が崩れていったことが何度かあります。
3人は昨年3、4、5番の並びでリーグ優勝に大きく貢献したVメンバーです。佐藤は昨年2冠で、森下も今年、佐藤と本塁打王争いするまで力をつけています。WBC日本代表に選出されるほど、結果を出して高い給料をもらっている選手たちの意地もあります。
どっしり3、4、5番に据えて走者をかえしなさい、勝てなかったらあなたたちのせいですと、責任を取らせる立場に成長しています。固定した方が本人たちも役割を再確認して気合が入り、落ち着いて試合に臨めるでしょう。今はベンチも我慢のしどころ。ここに攻撃がうまく回っていくヒントがあるように思います。(日刊スポーツ評論家)







