<阪神2-3横浜>◇28日◇京セラドーム大阪

 セ・リーグって面白い!

 阪神城島健司捕手(33)が、横浜との開幕3連戦を2勝1敗で終え“セ界征服”の手ごたえをつかんだ。この日は4打数0安打に終わり、チームも1点差で敗れたが、DH制のないリーグでのリードを確認。「捕手って面白い」と話した。阪神で開幕からの2勝1敗スタートはリーグ優勝への吉兆で、依然、首位もキープ。セを面白くするためにも、頼んまっせ!

 帰りの地下駐車場で、城島が静かに口を開いた。2-3で横浜に逃げ切られて、開幕3連勝は逃した。「初めてのカードで2勝1敗。それも野球だからね」。その上で初のセ・リーグについて「捕手っておもしろいと思って、野球をしていた。3連戦をやっただけでそうだから、144試合やると(新しい)いろんな戦術に気がつくのかなと思う」と新鮮な喜びを口にした。

 日米で15年を過ごしたパ・リーグと米大リーグのア・リーグはDH制だった。「9番投手」のリーグは初体験。投手が打席に立つことで生じる代打起用など戦術の違いは「僕が最も知りたかった、不安な要素のひとつだった」と話した。

 (1)2回1死一、三塁で迎えた8番橋本。3ボールから勝負して空振り三振を奪った。「次が投手だからバッテリーに(8番を抑えれば無失点の)チャンスがある。パ・リーグは次が9番なのでアウトが計算できるとか、そういう考えはなかった」。

  (2)横浜1点リードの6回無死二塁で再び8番橋本。横浜ベンチは強行策を選択して見逃し三振。「バントして代打も考えられるけど、無死二塁で普通に打ってきた。終盤になると、相手の代打陣とか投手と野手の兼ね合いが出てくる」。

 DH制に投手の打順は存在しない。百戦錬磨を誇る城島ほどの選手でもリーグの違いで発見がある。「セ・リーグの野球は経験したことない。こいつを歩かせると代打にこいつが出るとか。やることがたくさん」と捕手としての視野が広がる新しい環境を歓迎した。

 ゲームでは横浜に3試合連続で先制された。それでも粘り強いリードで被安打11を3失点でまとめた。「(前半は)ピンチの連続だったけど、シモさんの真骨頂でしょう。中継ぎもタフな場面で投げている。何より打線が反撃するチャンスをもらえているのが大きい。走者が1人出てドンといけば逆転できるケース。相手のプレッシャーになる」。1点及ばなかったが、接戦を演じて収穫を得た。

 投手が踏ん張って打力で勝つ。3連勝は失敗したが、チームが目指すべき道は見えている。「投手が試合を崩したわけじゃないし、打線も(投手陣に)手応えを感じると思う」。攻守両面を支えるキャッチャーとして、投打の相乗効果を期待していた。

 [2010年3月29日11時28分

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