<楽天0-6ロッテ>◇21日◇郡山

 アクシデントにもロッテ投手陣はめげなかった。5人の継投で、楽天に二塁すら踏ませなかった。緊急事態が発覚したのは5回だった。2死まで取ったところで、先発小野晋吾投手(35)が異常を訴えた。左でん部の張り。寒さを考えると無理はできない状況だった。ベンチに1度下がり、治療している間に、急ピッチでマーフィーと伊藤が肩をつくった。

 マウンドに戻った小野は横川を気力で三振に仕留めた。投げ終わりにバランスを崩し、右足でけんけんするほど。後はリリーフに託すしかなかった。「寒くていつもより肩ができるのが遅かった」と言いながらも伊藤はこの日、だれよりも速い149キロの速球で楽天の中軸を抑えた。8回をピシャリと封じた薮田も「緊急降板?

 だれかがダメでも助け合うのがチーム」と胸を張った。

 まだ連敗を知らない4月初旬、開幕ダッシュに成功したチームを見ながら西本投手コーチは「いつかくる連敗をどう止めるか。そればかり考えている」と話していた。その真価が発揮されたのがこの日の試合。コンディションのいいリリーフ陣が、緊急事態も救った。守護神の小林宏は「ブルペンが一丸となっている。ぼくも言葉と行動で引っ張っていきたい」と一体感を口にした。今季初めての連敗を止めたのは、チームスローガンに掲げる投手陣の「和」だった。【竹内智信】

 [2010年4月22日9時16分

 紙面から]ソーシャルブックマーク