<西武4-5楽天>◇3日◇西武ドーム

 楽天小山伸一郎投手(31)は、2死満塁カウント0-3から、ど根性の3球直球勝負だった。1点を追う7回だ。1死一、三塁で、先発のルーキー戸村からマウンドを譲られた。2回に9号ソロを放っている中村を、シンカーで空振り三振に仕留めた。左打者で2回に6号ソロのブラウンは、ベンチの指示で敬遠。満塁策で高山勝負。ところが、直球、シンカー、直球が外れ、瞬く間にカウント0-3に陥った。

 押し出し四球は敗北を意味すると言っていい。絶体絶命のピンチから、踏ん張った。打ち気のない4球目は甘い直球でストライク。1-3からは外角にこん身の直球を2球続けて空振り三振。満員の西武ドームに、小山の雄たけびが響き渡った。直後の8回、鉄平の逆転2ランを呼び込む気迫の投球だった。今季初勝利もマークし「カウント0-3になって、ブラウン勝負だったかな?

 なんて、一瞬思いましたが、腹をくくりましたよ。勝ちはうれしい。疲れが吹き飛びますよ」と快投に胸を張った。

 悪夢を糧にした。3月28日オリックス戦。9回2死満塁から、小山のサヨナラ暴投で開幕2連敗を喫した。あの夜、9回に同点弾を浴びた福盛と大浴場で反省会をした。「『楽天は後ろが不安だ』と言わせまい」。裸の決意を交わした。今季初の4連勝はすべて1点差で、延べ12投手が救援登板。「川岸だって、有銘だって、救援陣は頑張っているのを見せたかった」と小山。接戦を制し、単独4位。チーム防御率3・71は、リーグトップに躍り出た。【金子航】

 [2010年5月4日8時36分

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