6年目を迎える交流戦が、12日にセ・リーグの本拠地で行われるナイター5試合で幕を開ける。日本ハムが開幕戦の阪神戦(甲子園)からローテーションを再編する。登板順を入れ替え、チームトップタイ4勝の新外国人ボビー・ケッペル投手(29)を初戦に投入することが濃厚になった。2戦目は順番が入れ替わったルーキー増井浩俊投手(25)が抜てきされそうで、相手にとって未知の右腕2枚を用意。連勝ゲットで、巻き返しへの再スタートダッシュを狙う。

 猛虎打線封じへ、セオリー重視の一手を打つ。交流戦皮切りの阪神2連戦から、先発ローテを変更する可能性が高くなった。12日の初戦に、ダルビッシュと並ぶチームの勝ち頭のケッペルを起用、2戦目に最速150キロ超の剛腕新人の増井を立てるプランで、連勝を狙うことになりそうだ。

 初戦の価値が高いからこその策だ。1カード2連戦で連勝、連敗が多い交流戦。梨田監督は「(カードの)アタマを取れれば連勝もある」とかねて力説してきた。これまでの登板順ならば増井が初戦だが、安定感抜群のケッペルとスイッチ。日程にも恵まれ、助っ人を中6日の万全の登板間隔で投入できることから“開幕投手”に指名することになった。

 今季の新生阪神を要警戒。函館から10日、神戸入りした梨田監督は「怖い、本当に怖いよ」と本音を明かした。城島、マートンらの新戦力がかみ合い、セ・リーグでは巨人に次ぐチーム打率、得点力を誇っている。ケッペルは3連勝中と勢い十分。丁寧に低めに全球種を集めるスタイルで、荒れ球が持ち味の増井と対極のタイプ同士を組み合わせた。

 ともに初対戦で相手のデータも少ないだけに、登板順の入れ替え策と同様に混乱させられる考えもある。梨田監督は「うちだけDHを使いたいくらい。それくらいのハンディがほしい」と話すほど、攻撃力では相手が上。もくろむロースコアの接戦勝負へ持ち込むため、大胆に動く。

 [2010年5月11日11時25分

 紙面から]ソーシャルブックマーク