ソフトバンク王貞治球団会長(70)が、将来のクリーンアップ発掘に意欲をみせた。20日は福岡ヤフードームで編成委員会に出席し、今秋のドラフト候補について意見や情報を交換。すでに今夏の高校野球視察を熱望していたが、将来戦力として野手をマークする狙いを明かした。

 ターゲットは「5年後の大砲」だ。編成委員会を終えた王会長が熱弁を振るった。「チームとしては攻撃を前面に出したい。クリーンアップを打つ候補が欲しい。5年後とかを考えると、投手じゃなくてそっち(野手)へいくこともある。(ドラフト戦略を)覆す要素を持った野手が出てきてほしい」。すでに大学野球を精力的に視察し、早大の大石や斎藤、中大・沢村ら投手の有望株の能力を再確認した。ただ、チームでは小久保が38歳、松中が36歳、多村にしても33歳と長距離打者の高年齢化が進んでおり、次代を担う主砲候補の育成は急務。そこで王会長が実際に球場へ足を運び「王の目」で逸材を発掘する構えだ。

 4月にも「センバツも見に行きたかった」と話すなど、甲子園視察は念願でもある。この日はあらためて「甲子園には何とか行きたい。(大学生と違い)高校生は成長のスピードも早い」と話した。早実時代、エースで4番として全国に名をはせた思い出の地で、未来のホークスを担う「金の卵」を探し出す。

 [2010年5月21日10時52分

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