<西武1-5巨人>◇30日◇西武ドーム

 西武岸孝之投手(25)が負けた。巨人に初めて負けた。2者連続三振の滑り出しは、これまでのように快投の再現を思わせた。しかし、1回2死から小笠原に外角直球を左翼席に運ばれて歯車が狂った。巨人戦40イニング目で初めて本塁打を浴びた。ダメージも癒えぬまま、3回に小笠原を歩かせると、ラミレスに抜けたカーブをスタンドに放り込まれた。「高かった。全部、高かった」。試合後、それがすべてとばかりに同じ言葉を何度も繰り返した。

 今季最多の10奪三振。球のキレ自体は悪くなかったが、今季ワーストの5四球が制球に苦しんだ様子を物語る。7回もラミレスに2点適時打を許し、6安打5失点でKOされ「余計な四球を出しすぎた。リズムをつくれなかった自分の責任」と唇をかんだ。渡辺監督は「巨人は岸にこれだけやられていて気迫が違っていた。気持ちの部分で相手に負けていたんじゃないか」と敗因を指摘した。

 巨人にリベンジを果たせる舞台は日本シリーズしかない。「この反省を次に生かさないといけない」。崩れた不敗神話を糧に、さらなる進化を遂げることを誓った。【亀山泰宏】

 [2010年5月31日8時33分

 紙面から]ソーシャルブックマーク