<ロッテ11-0巨人>◇1日◇千葉マリン

 ロッテがセ・リーグ首位の巨人打線を今季初の無得点に抑え、パ・リーグ、交流戦ともに単独首位に立った。先発ビル・マーフィー投手(29)が7回4安打無失点、救援の橋本と古谷は安打を許さず、横浜との2連戦に続く、3試合連続の完封勝ち。唐川や荻野貴らけが人が続いて台所事情が苦しい中、強力なマリンガン打線の陰に隠れがちだった投手陣が奮闘。貯金を今季最多の13に増やした。巨人は先発の内海哲也投手(28)が3回途中で5安打4失点と今季最短で降板。今季最多の11失点で完敗した。

 ロッテの先発マーフィーは2回から別人のような投球を披露した。1回は制球が定まらず、2四球で1死一、二塁。4番ラミレスを何とか併殺打に打ち取って切り抜けた。2回以降は、本来のカーブ中心の投球から、「走っていた」という直球を軸にした投球に切り替え、12球団トップの78本塁打の巨人打線を7回まで4安打に封じた。

 ロッテの外国人投手では57年ぶりとなる開幕から無傷の4連勝。入団テストで合格し、故障者の代役で中継ぎから先発に回った1年目の助っ人左腕の力投の裏に、西本聖投手兼バッテリーチーフコーチ(53)の援護があった。1回終了時。「2試合やられているだけに、気合が入りすぎて力んでいた」と見て、リリースポイントを修正した。1回で2つの四球を出したマーフィーだが、2回以降の6イニングは1つと落ち着いた。

 西本コーチは、来日当初はワインドアップで投げていたマーフィーに「熱くなってしまうクセがある」と指摘し、セットポジションから投げるように指示している。横浜から金銭トレードで移籍してきた吉見にも、プレートの立ち位置を変えるなど助言して制球を安定させている。マーフィーには「どういたしまして」などと日本語で話しかけるなど、積極的な会話で和やかなムードをつくり出している。

 唐川、大嶺、小野、川越と先発投手4人が欠け、2番を務めた荻野貴や早坂が離脱する苦しい台所事情に、試合前のベンチ前やベース上などには清めの塩が盛られていた。始球式では400勝投手で、ロッテの元監督金田正一氏が登板し盛り上げた。前回は完敗した巨人戦で3試合連続の無失点リレーで3連勝。ロッテが再び快走ロードを走り始めた。【斎藤庸裕】

 [2010年6月2日9時12分

 紙面から]ソーシャルブックマーク