<日本ハム4-5広島>◇1日◇札幌ドーム

 日本ハムが、逆転負けで3連敗を喫した。広島戦(札幌ドーム)で初回に3点を先取したが、計11安打を放ちながら、2回以降は1点だけにとどまった。5連勝の勢いを駆って臨んだ先発ボビー・ケッペル(27)が4回に同点に追いつかれ、終盤の攻防で競り負けた。好調に白星を重ねてきた交流戦で初の3連敗となり、4位タイの楽天、オリックスとのゲーム差は「3」と、背中が遠のいた。

 力負けした。日本ハムが、がっぷり四つに組んだ接戦で土俵を割った。同点の最終9回に、あっさり勝ち越し点を許して交流戦初、今季6度目の3連敗を喫した。眼前の敵で、この日4位に並んだ楽天、オリックスとのゲーム差は「3」となった。梨田監督は「いい試合はしているけれど、勝ちに結びつけないと」と、この日も嘆き節だった。

 紙一重のプレーが、分かれ道の1つだった。初回に3点を先制。今季初登板の大竹の浮足立ったところを突き、快勝ムードへ持ち込んだ。逆転負けへ流れが傾きかけた最初のポイントは直後の2回。失策と犠打、安打で1死一、三塁とチャンスをつくる。この日4安打の打者・森本で、走塁に一番の信頼を置く一塁走者の田中が二盗に失敗した。

 ファウルの後の2球目に揺さぶった。直前の初球で、大竹のクイックモーションのタイムは1・29秒。失敗した時は1・14秒と絶妙だった。強肩の捕手・石原の好送球もあり、勢いをそがれた。梨田監督が「久々にいい肩を見た」という痛恨の要所。併殺の危険性を減らす、成功を確信していた安全策が裏目に出た。この回無得点で終わり、後へ響いた。

 機動力を絡めて突破口を探してきた広島との、したたかさの差が出た。基本勝ちパターンの投手戦へ、いずれも持ち込んでの3連敗。今季初黒星の宮西が「こういう日もある」と話したが、中継ぎ陣だけを責められない。点差以上に重い、リーグ一番乗りの30敗目だった。【高山通史】

 [2010年6月2日11時36分

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