<ヤクルト2-14ロッテ>◇7日◇神宮

 パ・リーグ打線が前代未聞の大爆発をした。ロッテがヤクルト戦でプロ野球新記録の10者連続安打をマークすると、オリックスも負けじと広島戦で10者連続安打を放った。ロッテは14得点、オリックスは交流戦新記録の25安打で21得点を挙げた。さらに日本ハムも13得点を取って3チームが2ケタ得点を記録し、パ6球団で交流戦新記録の55得点(セ22得点)と打ちまくった。

 凡打するほうが難しい錯覚が起きた。1点を追う7回だった。1死一塁からロッテの8番南竜介外野手(28)が左前安打。ここからヒットが止まらなくなった。バットを振ればヒットになる。ベンチはもちろん、三塁側スタンドから左翼席のロッテファンも立ち上がって大興奮のお祭り騒ぎ。プロ野球新記録となる10者連続安打に西村徳文監督(50)も「オリックスもでしょ?

 同じ日に同じ事が起こるとは思わなかった」と目を丸くした。

 6日にチームは今季初の3連敗を喫した。ズルズル後退しかねないムードだった。7回の攻撃前の円陣で、金森打撃コーチから「とにかく(雰囲気が)重たいから、思いきり振っていけ」というカツでマリンガン打線が息を吹き返した。1死満塁から主将の西岡が遊撃の頭を越えるポテンヒット。「なんとかしようと思って打席に入った」という気迫のフルスイングが逆転の2点適時打となった。

 さらに4番の金泰均が勢いを加速させた。左翼ポール際へ15号満塁本塁打。「記録の中に入れて光栄です」といつもはクールな主砲の顔も緩んだ。走者一掃で打ち止めかと思われたが、選手会長サブローも「前の打者たちの勢いに乗せてもらった」と7試合ぶりの10号ソロで続いた。里崎の右翼席への8号2ランで一巡すると、再び南が中前打を放ってようやく止まった。南は「記録は知らなかった。とぎれなくてよかった」と喜んだ。

 10者連続安打で10得点の大逆転劇を演じ、終わってみれば14得点で4連敗を阻止した。西村監督は「これで千葉に気持ちよく帰れます」と目を細めた。【斎藤庸裕】

 [2010年6月8日8時40分

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