<日本ハム9-0中日>◇12日◇札幌ドーム

 中日マキシモ・ネルソン投手(28)がホロ苦の復帰戦だ。12日、1軍登録即2番手でリリーフ登板。1イニング目の5回、日本ハム打線につかまり1被弾を含む4失点。その後は持ち直したが4イニングで9安打を浴びた。実弾を所持していたとして2月に銃刀法違反で送検(不起訴)され、球団から5月末まで3カ月間の出場停止処分を受けた。緊張のマウンドで結果は残せなかったが、落合監督はネルソンの投球を最大の収穫にあげた。

 癒やし系笑顔がトレードマークのドミニカンの顔が曇った。5点ビハインドで上がったマウンド。銃刀法違反容疑による3カ月の出場停止処分明け。今季初登板のプレッシャーは、予想以上にネルソンに重くのしかかった。「1イニング目は緊張していた。直球が少し思ったところに行かなかった」。

 5回、先頭の田中に内野安打を浴び、森本にも弾丸ライナーの右前打。そして稲葉への初球、内角高めに浮いた147キロ直球を右翼席に運ばれる3ラン被弾。さらに糸井に死球を与えるなど制球が乱れて4失点。その後は3イニングを無失点に抑えたが、毎回安打を浴びるなど、復帰戦はホロ苦い結果に終わった。

 3カ月間「処分を受けている身だから」と、極力外出を控え、自宅とナゴヤ球場の往復に徹し、練習に全精力を注いできた。ファームでの登板数はわずか2試合。好調時には150キロを超す直球も、この日はすべて140キロ台で実戦不足が露呈したが、4回76球を投げ「2イニング目からはちゃんと投げることができたと思う」と手応えもつかんだ。

 勝率5割に逆戻りした落合監督も同意見だった。「ネルソンが4回投げただけで十分だろ。それ以外に何があるんだ?

 何もないだろ」。ネルソンが実戦経験を重ね、ほかの中継ぎ陣を温存できたことを評価した。ネルソンも「次はもっといい内容で投げられるように頑張りたい」と前を向いた。【福岡吉央】

 [2010年6月13日10時38分

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