<広島5-1ヤクルト>◇19日◇マツダスタジアム
広島前田健太投手(22)が7回無失点と好投し、自己最多タイのシーズン9勝目に達した。蒸し暑さにも耐える。3回には2死満塁のピンチを迎えたがデントナにはスライダーで空を切らせた。交流戦防御率1位(1・05)の力量を区切りの1戦でも見せた。
中9日でのマウンドは我慢の連続だった。4、5回も先頭打者に出塁されたが得点を与えない。「(登板まで)間が空いたので、体の調子、感覚的に良くなかった」。速球の球威は本来の質ではない。本調子でなくても要所でスライダーやカーブを決め、試合を作った。この日は2月の春季キャンプで臨時コーチを務めた野茂英雄氏が球場で戦況をチェックしていたが、エースの粘りを見せつけた。
変化球を最大限に生かすため工夫する。自ら「ラッキーカラー」というオレンジの試合用グラブは入団当初に比べ、徐々に大きいタイプを用いてきた。キッカケは新人時に聞いた山内コーチ(現1軍投手コーチ)のひと言だ。「グラブを大きくしたほうがいいぞ。球の握りが見えてしまうからね」。駆け引きを制するため、わずかなクセも隠すようになった
しなやかな投球で早くも08年以来の9勝目となり、リーグのハーラートップに躍り出た。チームも今季初の4連勝に導いた。デーゲームのお立ち台では「今日夜にサッカー日本代表の試合があります。町に出ず、家に帰ってビールを飲みながら応援しましょう」と笑わせた。この明るさが飛躍の原動力だ。【酒井俊作】
[2010年6月20日11時55分
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