日本ハムが、サッカーW杯南アフリカ大会で奮闘中の日本代表岡田武史監督(53)の「招へい」を検討していることが21日、分かった。同監督は99年からコンサドーレ札幌を3年間、指揮。同じ札幌ドームを本拠地として戦っており、北海道のプロスポーツ界をけん引してきた先人に着目した。現在、リーグ最下位にあえいでいるが“岡ちゃんパワー”を注入してもらい、巻き返しの起点にする。

 遠くアフリカにいる時の人に、狙いを定めた。球団幹部は「札幌にはゆかりもあるしぜひ、実現できたら」と鼻息は荒い。始球式などのセレモニーなどが有力だが、選手らへの講義の講師などのいくつかのアイデアが浮上。今後、煮詰まり次第、正式オファーを出す準備をスタートした。大会終了後は多忙であるため「あくまで先方のスケジュールを聞いてから」(同幹部)と慎重だが、本気だ。

 強力なパイプを駆使して、動く可能性が出てきた。サッカー好きの大社オーナー、梨田昌孝監督(56)はプライベートで親交がある間柄。藤井球団社長はJ1のセレッソ大阪の社長を務めたこともあり、太い人脈を持っている。岡田監督は退任後も、風土などに愛着を持っており、よくお忍びで札幌を訪れているという。激戦で疲れた心身を、盛夏の北海道で癒やしてもらおうという、粋な計らいでもある。

 札幌には97年から2年間、アルゼンチン代表マラドーナ監督の実弟のウーゴ・マラドーナ氏が在籍。MF今野も、札幌からステップアップしていった。何かとつながりがある今回のW杯。球団幹部は「アルゼンチンが優勝してもマラドーナではなく、北海道なら岡田監督でしょう。やっぱり」とラブコールを送った。他力本願は承知の上だが“岡ちゃん”にあやかり、上位追撃の大志を抱く。

 [2010年6月22日11時36分

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