左ひざ半月板手術を行い、リハビリ中の日本ハム中田翔内野手(21)が球宴前に実戦復帰することが5日、分かった。13日からのイースタン・リーグ西武3連戦(鎌ケ谷)での出場を予定している。術後の経過は良好で、すでにフリー打撃を再開。完全復活まで最終段階に突入しており、驚異的な巻き返しをしているチームの起爆剤になる可能性が出てきた。

 中田が空白の2カ月を経て、再スタートを切ることになった。5月10日に手術に踏み切り、ようやく実戦復帰のプランが固まった。五十嵐2軍監督は「状態をしっかりと確認してからだが、今のところ13日あたりから試合に出そうと思っている」と見通しを説明。2軍本拠地の鎌ケ谷での西武3連戦で、まずは復活への1歩を踏み出すことが濃厚になった。

 順調にステップアップしてきた。中田は手術に拒否反応を示していたが、将来的な再発の恐れから手術を勧める球団側と協議。前半戦を棒に振る覚悟でメスを入れた。歩行などからスタートしたリハビリは、当初の予定通り進行。現在はフリー打撃を再開し、外野の守備練習も行っており、実戦復帰への総仕上げの段階に突入している。

 中田自身が勝負の1年に据えたシーズンで、また光が差し込んできた。3年目の今季は、初の開幕1軍スタート。3月20日のソフトバンクとの札幌ドーム開幕戦で「7番左翼」でスタメン起用され、首脳陣の期待も高かった。抜てきが続いたが結果を残せず、出場16試合で打率1割9分5厘(41打数8安打)、2打点と低迷。4月19日に2軍へ降格した直後、故障に見舞われる試練に直面していたが、ようやく出口が見えた。

 1軍は現在、二岡が右太ももを痛めて離脱。6日ソフトバンク戦で復帰の可能性はあるが、高橋も頭部死球で3試合を欠場している。打線は好調だけに現状で割って入るのは厳しいが、中田はチームにとって貴重な右の大砲。球宴明け、勝負の後半戦の有事に備えた「ジョーカー」として、中田が待機する青写真が描けそうだ。

 [2010年7月6日11時44分

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