日本ハム中田翔内野手(21)が、チームの窮地を救う。2日、高橋信二捕手(31)が頭部死球の後遺症の影響で、再度登録を抹消された。長期離脱の可能性もあり、再び不在となった一塁手について、梨田昌孝監督(56)は「中田翔がそこに入る可能性はある。キャンプでは(外野をメーンでやっていたけど)ねぇ…」と、外野手挑戦中の中田を一塁で起用する方針を示唆した。

 上位進出へ向けて、緊急事態が発生した。7月27日オリックス戦で復帰したばかりの高橋が、再び戦列を離れることになった。「頭がフラフラする」と、1日の西武戦でも途中交代していたが、試合後、監督と話し合った結果、完治のために静養することになった。梨田監督は「頭のことは、使う方としても怖い。期限を決めずに、待とうと思う」と、症状が改善するまで“無期限休養”となる見込み。最悪の場合は、残り46試合を高橋抜きで戦うことになる可能性もある。

 “急造”で稲葉が一塁に入っていたが、指揮官は「内野も外野もでかわいそうな部分はある」と、38歳のベテランの中途半端な起用に頭を悩ませている。そこで昨年まで一塁を練習してきた中田が浮上した。今季はキャンプから外野に挑戦し、開幕戦も左翼で出場しているが、試合前のシートノックは一塁手で受けることも多かった。この日、旭川市内でイベントに参加した本人も「不安はあるけど、いろいろなところでチャンスをもらえるのはありがたい。集中して、期待に応えられるように頑張りたいです」と力を込めた。

 内野と外野。「二足のわらじ」を履くことは大変だが、それがチームのためにもなる。「シーズン中はノックを受けるくらいしかできないけど、それ以外の時間も大切にやっていきたいです。大変でもプラスに考えたい」と意欲は十分。6戦3発とバットは好調なだけに、本人にとっては大きなチャンスとなる。【本間翼】

 [2010年8月3日10時58分

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