右手首骨折のため戦列を離れている広島栗原健太内野手(28)が、球宴辞退による出場停止10試合が明ける7日の巨人戦(東京ドーム)から1軍に復帰する。2日、マツダスタジアムでの練習後に野村監督が「最短の7日に戻って来てもらうつもり」と明言した。4日から2軍戦2試合に出場して実戦カンを取り戻し、借金22とあえぐチームにカツを入れる。

 野村監督が、期待を込めて言った。「僕としては栗原には(出場停止明けの)7日に戻ってきてもらうつもりです。本人がまだ無理と言うなら別ですが、手首の状態も良さそうですしね」。

 主砲もそれに応えるように「7日に間に合うように調整していますよ。(打撃は)まだ良かったり悪かったりですけど」と意欲を見せた。ようやく、コイの4番が戻ってくる。

 6月10日のロッテ戦で死球を受け、右尺骨茎状突起骨折で戦列を離れた。ファン投票で選出されていた球宴も辞退し、そのペナルティーで6日巨人戦までは10試合出場停止になった。

 栗原離脱後、チームは4試合連続完封負けを喫するなど、投手陣の不振に加え、打線の迫力不足も顕著になった。後半戦6連敗中で借金「22」、最下位横浜と2差というどん底の状態。栗原は7月30日から1軍練習に合流しており、苦しむ同僚の姿を目の当たりにしてきた。だからこそ「この流れを変えたいし(自分の復帰が)きっかけになってくれればと思う」と主砲の責任感を口にする。

 ただ、2カ月近いブランクは簡単には埋められない。故障個所の痛みはもうないが「心の痛み」は残っている。「しっかり球をとらえて打つことを考えているが、打ちに行くときに(フォームが)緩むんです。どこかで自分でブレーキをかけてしまう。打つとき(骨に影響がないか)怖さが出るんです」と栗原。それをぬぐい去るには、振り込むしかない。また、実戦カンを取り戻すため、4日の社会人チーム(JFE西日本)との練習試合、6日ウエスタン中日戦(いずれも由宇)の2軍戦2試合に出場することも決まっている。

 栗原が復帰して三塁に入れば、現在売り出し中の岩本を一塁で使うなど打線編成のバリエーションも増す。なにより、不動の4番打者がいることが大きい。栗原の復帰戦は今季2勝12敗の巨人。にっくき相手に、これまでの借りをまとめて返す。【高垣誠】

 [2010年8月3日14時7分

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