<広島7-6阪神>◇10日◇マツダ
広島が先発篠田純平投手(25)のプロ初タイムリーで粘り勝ちを収めた。同点で迎えた4回1死満塁で走者一掃の右中間適時三塁打をマーク。プロ入り初めての長打で、チームの勝利に貢献した。投球では制球に苦しみながらも7回3失点にまとめて、今季6勝目を挙げた。チームも阪神戦では今季初めて連勝。エース前田健に続いて、好調左腕が巻き返しの原動力になる。
篠田は投手とは思えぬ鬼の形相だった。4回1死満塁の勝ち越し機。打席に入る前、代わりにネクスト・バッターズ・サークルで待機していた天谷から声を掛けられた。「初球からいっていいぞ!」。覚悟を決めた。自分で決める-。阪神先発メッセンジャーの投げ込むストライクに、ひたすら強振を繰り返した。
初球だ。いきなり自打球が当たり、顔をゆがめた。それでも、ひるまない。3度ファウルで粘り、6球目の流れるスライダーをミートすると、ライナーで右中間を破る。前進守備を敷いていた阪神の外野守備網を突破。激走で三塁に達した篠田も「何を打ったか分からない。まったく覚えていない。とにかく死に物狂いで打ちました。無我夢中でした。投手は投げるだけじゃない」と振り返った。プロ初の長打で、プロ初打点をマーク。3打点を挙げ、勝利に大きく前進した。
投手だが、バットにも細心の注意を払う。篠田が用いるのは、アシックス社製のオレンジ色のバット。バットコントロールに定評のある末永をモデルにしたタイプだ。同社担当者は「ノーマルなタイプです。使いやすいと評判です」と話す。今年の沖縄春季キャンプ前に用意したものだ。“予行演習”はバッチリだった。この日の試合前練習では、先発陣が定期的に行うフリー打撃を実施。炎天下の鍛錬が実を結んだ。
この日は制球に苦しみ、粘りの投球が続いた。2点リードした3回にはブラゼルに同点2ランを浴びる。7回3失点にまとめて勝利投手に輝いたが「毎回走者を背負う苦しい投球でしたが、そのなかで粘れて、よく3点で収まったと思います」と反省が口を突いた。それでも野村監督は「投手が打てば勝つということです。投手が打てば(打線も)つながる」と評価した。これで今季は阪神戦で3勝目。通算でも無傷の5連勝だ。シーズンは6勝目。インタビュアーが2ケタ勝利の目標を問うと「残り試合は少なくなってきましたが、そういった目標もある。1試合1試合頑張ります」とキッパリ。頼もしい左腕が、後半戦のチームを支える。【酒井俊作】
[2010年8月11日11時35分
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