ソフトバンクのセットアッパー摂津正投手(28)が来季、先発に転向する可能性が高まった。まさかのCS敗退から8日が経過し、福岡ヤフードームで秋季練習がスタートした。初日ということもあり、ランニングなど軽めの練習に汗を流した。今季チーム最多の71試合に登板した右腕は「(首脳陣から先発転向の)可能性があるとは聞いています。興味はあります」と、3年目での先発転向に強い意欲を示した。

 「SBM」を解体してまで…。そこには、先発右腕不足というチーム事情がある。今季チーム勝利数76のうち、右の先発投手が挙げた白星は、わずか11。今季1軍登板のなかった新垣や斉藤が、復活できるかどうかも未知数だ。高山投手コーチは「時間をつくって、1人1人話していきたい」と秋季練習で摂津ら投手陣と面談を行うことを明言。28日のドラフト会議やFA補強の結果にもよるが、勝利の方程式「SBM」の一員として地位を確立した摂津も、先発候補に挙がる。

 「SBM」だけに頼らざるを得なかった昨季とは違い、甲藤啓介投手(26)や森福允彦投手(24)ら若手救援陣が台頭したことも投手再編の「連覇プラン」を後押しする。摂津は社会人JR東日本東北時代は先発でならし、経験はある。スタミナ面も2年連続70試合以上に登板した実績が裏付けている。

 「まずは疲れを取ってから。(先発の準備は)12月からでも間に合うと思いますんで」。秋季練習と秋季キャンプではブルペン投球は行わず疲労回復を優先し来季の先発転向に備える。【倉成孝史】

 [2010年10月28日10時40分

 紙面から]ソーシャルブックマーク