右ひざ半月板損傷を抱えながらシーズン強行出場していたソフトバンクのホセ・オーティズ内野手(33)が、今秋に米国内で手術に踏み切る可能性が10月31日、高まった。球団幹部が手術する方向性を示した。チームは11月1日の秋季キャンプインに備えて宮崎入り。オーティズは来春開幕に間に合わない可能性もあり、新助っ人獲得とともに、ソフトバンクは今秋のレベルアップが必要不可欠な状況だ。

 オーティズが右ひざ完治を目指し、手術に踏み切ることが濃厚となった。この日、小林至取締役(42)は「おそらく手術することになると思います。最終的な報告は入ってきてないですが。米国内で?

 そうなるでしょう」。今季24本塁打のスラッガーは10月21日に自宅のある米フロリダに帰国。その際に現地の医療機関と患部のチェックを重ねる姿勢をみせており、自身2度目のメスを入れることを決断した模様だ。

 オーティズは8月5日に福岡市内の病院で精密検査を受け、「右ひざ関節の内側半月板損傷」が判明した。ただ、チームは優勝争いを続けていたために、手術を回避して8月下旬に1軍再合流するなど強行出場していた。離脱前まで本塁打王争いをしていた長距離砲の動向は、チーム強化の根幹を担う。詳細を届けられていない秋山幸二監督(48)が気になるのも当然のこと。この日の福岡空港で「オーティズはどうなってるのかな。手術したのかな」とポツリ。昨年松中が右ひざ半月板で手術したケースでは、本格的なランニング開始まで4カ月を要した。最悪、来季開幕に間に合わない可能性もあるとあって、指揮官の表情は曇ったままだ。

 もちろん、早期復帰のケースも残されている。オーティズ自身「2月のキャンプに万全の準備をして帰ってくる」と話して帰国した。秋山監督も「オーティズの場合は、打撃が出来上がるのも早いタイプ」。強靱(きょうじん)な上半身のパワーを生かすタイプだけに、打撃調整に多くの時間を要しないと判断している。

 それでも、オーティズの復帰経過は未定だけに、この秋季キャンプでのレベルアップがなければ、来季リーグ連覇は厳しい状況。松中も既に左手首の手術を受けている。ドラフトでは将来性を重視した戦略をとっただけに、球団の大砲獲得のバックアップも不可欠。オーティズ早期復帰を願いながら、ホークスがステップアップの秋に突入する。【松井周治】

 [2010年11月1日11時18分

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