巨人が外国人選手が持つ「2軍落ち拒否権」を来季から認めない方針を固めた。26日、新外国人選手として前ヤンキースのジョナサン・アルバラデホ投手(28)を獲得すると発表。年俸8000万円で1年契約を結んだ。球団は外国人選手の顔触れがガラリと変わる今オフを機に、特権を撤廃。助っ人にも完全実力主義を求め、ハングリーな環境でV奪回を目指す。

 今季、投手陣ではクルーンとグライシンガーが、故障時をのぞいて本人の承諾なしに2軍に降格させられない契約を結んでいた。1軍で苦しんだクルーン(防御率4点台)やグライシンガー(未勝利)とは対照的だったのがファームの投手陣。ロメロがイースタン・リーグのセーブ王、黄志龍ら台湾人投手も安定した成績を残した。自慢の外国人選手層を「宝の持ち腐れ」のまま終わらせてしまった。

 ヤ軍傘下の3Aで今季43セーブを挙げたアルバラデホも、結果を出さなければ1軍には残れない。清武球団代表は「(アルバラデホは)巨体から繰り出す速球があり、三振も取れて制球力も良い。セーブ数も圧倒的」と実績を高く評価する一方で「外国人選手も実力主義。全員を競争に追い込む」と、特別扱いしない方針を明言した。

 アルバラデホは「ジャイアンツが再び日本一になれるようにチームの力になりたい」と意気込んだ。来季からは1軍の外国人枠(4)を巡って、激しい争いが繰り広げられることになりそうだ。

 [2010年11月27日8時17分

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