楽天田中将大投手(22)が28日、日本ハム1位の早大・斎藤佑樹投手(22=早実)との投げ合いを歓迎した。前日27日、星野監督が「皆さんも期待されているでしょう。早いうちに(互いの)コンディションが合えば。年に2回くらい、あってもいいのかな」と、早期の対戦実現を予告したばかり。荷物整理のためKスタ宮城を訪れた田中は、指揮官の夢プランにビビットに反応した。

 田中

 いいんじゃないですか。盛り上がるでしょうね。プロ野球なんですから。ファンの方に見てもらってナンボです。喜んでもらえるのであれば。

 楽天の看板として入団から4年間第一線を張ってきた。誰のためのプロ野球か。自らを客観視できる田中はよく知っていた。

 野球界に限らず「同年代が活躍している姿は、自分にとって大きな刺激になっている」と常々言う。そんな思いを象徴する場面が8月8日にあった。札幌ドームでの日本ハム戦、絶好調だった中田との対戦。田中は登板後「みなさんに、楽しみにしていただいて。期待に応えることができたらうれしい」との粋なコメントを残した。ファンのためなら、斎藤との先発対決も拒む理由はどこにもない。

 田中と斎藤といえば、引き分け再試合にまでもつれ込んだ06年夏の甲子園決勝。野球好きの胸に刻まれる投手戦だ。「僕が倒せるわけじゃないんですけどね」と田中。プロでの再戦は望むところであると同時に、自身を高める上で最高の舞台でもある。【宮下敬至】

 [2010年11月29日8時1分

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