前ロッキーズ傘下3A松井稼頭央内野手(35)の楽天入団会見が29日、仙台市の球団事務所で行われた。星野楽天の目玉補強。8年ぶりに日本球界復帰する遊撃手を、球団は2年総額3億円(推定)の契約で迎えた。背番号は大方の予想に反し「32」。西武入団時の番号を自身で選んだ。「初心に帰る意味でお願いしました」と松井。「チームみんなで、星野監督を胴上げします」と、優勝請負人となることを約束した。

 日本球界最高の内野手がKスタ宮城にやってきた。会見を終えた松井はスーツ姿でグラウンドへ直行。遊撃定位置に歩を進め、足裏でフィールドターフの感触を確かめた。「姿勢、プレーで選手の方に何かを感じてもらったり、背中で引っ張ったりしたい。キャンプが楽しみ。一流のピッチャー相手に打席に立つのが楽しみ」。純粋な思いがそのままにじみ出た。

 決意を背番号に込めた。3、5など空き番があったが「32」を背負う。「西武時代、最初にもらった原点です」とうれしそうだった。「走攻守。3つそろって自分。しっかり全うしたい。1試合でも多くグラウンドに立つ。それが目標」と明快だった。

 8年連続全試合出場を果たし常勝西武をけん引した。杜(もり)の都でも果たす役割は変わらない。「3度日本シリーズに出たけどチャンスがなかった。ワールドシリーズも。まず144試合。ペナントを取る」。世界の修羅場をくぐった男の言葉は説得力があった。【宮下敬至】

 [2010年11月30日8時26分

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