今季プロ野球の守備のベストナインに贈られる「三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が29日、都内のホテルで行われ、広島からは前田健太投手(22)、広瀬純外野手(31)、梵英心内野手(30)、赤松真人外野手(28)と最多の4人が受賞した。

 来季も「球団史上初」に照準!

 初受賞の広島前田健太投手(22)は黄金に染まるグラブのトロフィーを持つと、まばゆく輝く。エースは力強く言い切った。

 「バント処理、けん制は得意というか持ち味。そこを評価してもらってうれしい。調子の波がない賞。来年からも毎年、続けてとれるように頑張りたいです」。

 11年に向けて早くもハードルを立てた。今年は最多勝など球団史上初の投手3冠に輝いたが、来季もゴールデン・グラブ賞に選ばれれば、広島の投手では史上初めての2度目の選出だ。連続受賞は72~78年の巨人堀内恒夫、79~85年の巨人西本聖の7年が両リーグ最長。通算回数でも西本と巨人桑田の8回が最多で、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。背番号18も「守備は毎年、極端に下手になることはない。いまのレベルでやっていこうと思う」と自信を深めており、野望は尽きない。

 来年は1988年生まれの選手が注目を集めるシーズンになる。早大からドラフトで指名された日本ハム斎藤、西武大石…。前日28日には楽天田中が「88年会」の結成に前向きな姿勢を見せ「マエケン会長、田中はヒラで…」と話した。これには前田健が「会長は僕じゃなくていい。マー君でいいんじゃないですか。副会長というか、下の方でいいです」と笑顔で譲る。それでも「そういうの(88年会)をやりたい気持ちもある。やるなら中心でやっていければいい」と続けた。前田健も球界の次代をになうトップランナーであり続ける。【酒井俊作】

 [2010年11月30日11時14分

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