阪神平野恵一内野手(31)が「守備率10割」という究極の目標を打ち立てた。29日、都内ホテルで行われた三井ゴールデン・グラブ賞表彰式に出席。セ・リーグの二塁手として自身初の栄誉に輝いた男は「まさかこのような賞を頂けるとは、夢にも思わなかった。来年は10割、100%の守備率を目指します。やるからにはそこを目指さないと」と意欲を見せた。

 二塁手のリーグ歴代最高守備率は、87年高木豊(大洋)が記録した9割9分7厘1毛。今季、656度の守備機会に対して9失策を犯し、守備率9割8分6厘に終わった平野は「そんなに簡単なことじゃないことは分かっている。とにかく必死に頑張るだけ。そうすれば結果もついてくるはず」と上を見据えた。

 究極の目標を実現させるため、すでに手は打った。シーズン終了後、使用するグラブのスポーツメーカーに、自身が思いつく限りの改良点を発注。その1つとして、今季使用したグラブよりも数ミリ長いグラブの作成を依頼した。「今以上に球際に強くなりたいから。すべては、そこですね」。他にもグラブの芯と言われるポケット部分の皮の改良など、妥協は許さなかった。

 究極の目標でもある守備率10割を達成すれば、もう1つの記録も視界に入る。それはチームメートでもある関本が、07年に記録した二塁手としての連続守備機会無失策記録(804)の更新だ。

 「人が捕球できないものを捕り、投手を助ける。そういう部分も求められていると思う。もっとうまくなりたいという気持ちを持ち続けて頑張ります」

 金色に輝くグラブを誇らしげに見ながら、平野は新たな誓いを立てた。

 [2010年11月30日11時48分

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