九州男児やけん、大分でやるっちゃ!

 ソフトバンクにFA移籍した内川聖一内野手(28)が、年明けから地元大分で自主トレを行うことが26日、明らかになった。当初は例年通り静岡・伊豆でトレーニングを始め大分で仕上げる予定だったが変更。18歳まで生まれ育った九州・大分の地で、移籍1年目の大活躍に向けた鍛錬に集中する。

 地元愛が内川を突き動かした。翼夫人(29)と東南アジアへ新婚旅行中のヒットマンが、当初の予定を変更して大分で11年のスタートを切ることを決めた。関係者によると、大分県内で練習施設や宿泊施設を手配済み。6日から練習を開始する予定だという。

 これまでは例年通り、伊豆で横浜時代の先輩で「師匠」と呼ぶ広島石井琢らと自主トレを行う予定だった。今月6日の入団会見の際にも「伊豆でスタートして、大分で仕上げたい」と話していた。

 心変わりしたのは、これから自身の活躍の舞台となる九州への愛情からだ。11、12日には大分で軟式の少年野球大会「内川聖一杯」を初めて開催。2日間熱心に試合を観戦し、表彰状を授与した。ソフトバンク内川誕生を地元で印象づけるだけでなく、自身の中でも10年以上離れていた地元への愛着が深まった。

 「自分が忘れていたことを思い出させてもらった」。自分を育ててくれた原点で、大事な移籍1年目への礎を築くことを決意した。

 ニューヒーローとして、グラウンド外でもチームに貢献するつもりだ。今季も観客動員数はリーグ1位をキープしたものの、累計は昨季より8万人以上減って216万4430人。九州では福岡に次いで、キャンプ地の宮崎や公式戦を開催した熊本のファンは比較的多い。来年3月には九州新幹線も開通することで鹿児島でも公式戦を開催。観客数減少に歯止めをかける意味でも、大分のファン拡大は重要課題だった。自身にかかる期待も十分に理解している。

 「自分が活躍すれば、大分からの観客も増えると思うので頑張りたい」

 大分からキャンプ地へ。九州男児・内川の飛躍のシーズンが幕開けする。

 [2010年12月27日12時3分

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