巨人が、昨季ロイヤルズでプレーし、メジャー通算37勝右腕、ブライアン・バニスター投手(29)を獲得することが7日、分かった。6日(日本時間7日)に米メディアが報じ、巨人は8日にも発表する。昨季は7勝をマークするなど実績十分で、ロ軍移籍1年目で12勝をマークした07年以降は4年にわたってローテーションの一角を確保している。V奪回を目指す原巨人にとって大きな先発投手陣の強化となる。

 巨人がメジャーのローテーション投手に白羽の矢を立てた。FOXスポーツの看板記者ローゼンサル氏が6日(日本時間7日)、巨人と1年契約を結んだとツイッターに投稿。それを引用する形で地元紙カンザスシティー・スターなども相次いで巨人入りを報じた。年俸などの条件面の詳細は不明だが、2年目は球団がオプション行使の権利を持つという具体的な内容も伝えられた。巨人では7日の段階では明言を避けたものの、8日に発表する見込みだ。

 昨季、リーグ4連覇を逃した巨人にとって、最大の課題は先発ローテーションの確立だった。この日、桃井球団社長は「外国人については報告を受けていますよ。ウチの補強ポイントは先(先発投手)だからね。キャンプまでに、何とか獲得できればいいですね」と新助っ人獲得の手応えを明かした。清武球団代表は5日に「補強は終わっていない。今、いろいろやっております。補強は弱いところを補うわけだから。先発投手ですかね。日本一奪回に向け、さらに歩を進めていきたい」と、先発投手の補強を希望していると話したばかりだった。

 巨人にとって待望の外国人先発投手となるバニスターは、日本球界に所属した父を持つ。90年にヤクルトでプレーした左腕のフロイド・バニスター投手だ。76年全米ドラフト1位でアストロズに指名され、大リーグ通算13年で134勝をマークしたバリバリの大リーガーだった。ただヤクルトでは左肩を故障した影響で9試合登板、3勝にとどまりシーズン途中の6月に退団している。父親は、決して成功したという成績ではないが、同様にバリバリのメジャーリーガーという立場で、父以上の活躍が期待される。今季の巨人には、元中日外野手を父に持つラスティ・ライアル内野手(27=ダイヤモンドバックス)も加入する。2組の“親子鷹”助っ人というのも異例のこと。

 06年にメジャーデビューし、才能が開花したのはロイヤルズに移籍した翌07年だった。12勝9敗、防御率3・87の成績を残して大ブレーク。鋭いカーブやカットボールを武器にする技巧派右腕としてメジャーに定着し、以後4年間にわたってローテーションを支えた。今季の巨人のローテーションでも、大きな活躍が期待される。

 [2011年1月8日8時48分

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