虎入りへグラリ?

 ロッテからFA宣言した小林宏投手(32)が15日、沖縄・石垣島中央運動公園で自主トレを開始。メジャーより2週間早い日本のキャンプを想定し「2・1」ブルペン入りの準備を進める考えを語った。メジャー志向だが、納得いくオファーがなければ断念する意向。阪神入りが現実味を帯びてきた。日本か米国か。来季所属先が決まらない小林宏が、はっきり決めていることがあった。2月1日にブルペンに入れる状態に仕上げること。希望するメジャーのキャンプは、バッテリーは2月中旬に集合するのが通例。つまり、日本球界に残留した場合も想定しているということだ。プロ15年目の右腕は、ただ、夢を追っているだけではなかった。

 「毎年(2月)1日には入っていました。どんな形でも、1日にはブルペンに入れるようにしたい」

 メジャー契約でのオファーを待っているが、石垣島自主トレが終わる24日以降に結論を出す方針を固めている。あくまで、メジャー移籍が第1希望。だが「待ってくれている」と、獲得の意思を示す阪神に恩義を感じているのも事実だ。この日は、あらためて40人枠保障のないスプリット契約での移籍を「それはない」と否定したが、ポロリと本音もこぼれた。

 「(メジャーは)厳しいかもしれないけど…」

 25日以降に阪神入りを決断すれば、キャンプインまで1週間もない。だから、準備だけは整えておく。「休みなくやるつもりです」。24日までの同地での自主トレは無休を予定。日米どちらにも対応できるよう、きっちり仕上げる。

 もともと150キロのスピードボールを武器にしていた本格派だが、32歳となり、直球の質にもこだわりを見せる。

 「真っすぐは、もう速くはならない。投手の基本は低めに集められるかどうか。スピードガンよりキレ。バッターがどれくらい速く感じるか」

 手首をうまく使うことの大切さを説き、練習の合間にはトレーナーに指先の神経伝達を入念に確認してもらった。ノックを受ける際には、ボールが高めに浮かないよう、意識的に防球ネットの下部のフレームを狙い続けた。

 経験豊富な右腕が久保田、藤川とともに勝利の方程式をつくれば、チームに及ぼすプラス要素は計り知れない。貴重な右のリリーバーが、決断のときへ少しずつ近づいている。

 [2011年1月16日10時41分

 紙面から]ソーシャルブックマーク