【ギルバート(米アリゾナ州)21日(日本時間22日)=四竈衛】

 開幕戦でサヨナラ弾!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が同地で自主トレを公開し、あと1本に迫る通算400号を開幕戦で放つことを、あらためて宣言した。しかも、逆転、サヨナラなど「肩書付き」を予告。27日に帰国し、2月1日からの宮崎キャンプに備える。

 日焼けした顔に、充実感を漂わせた。最高気温22度。スパイクを履き、反復ダッシュを繰り返す小久保に、手加減はない。2011年最初の照準は、ズバリ開幕戦。あと1本と迫った通算400号を前に、明確な誓いを残した。

 「体力的な部分で衰えは感じません。開幕で決めるのが理想。しかも、試合が決まってからではなく、先制、逆転、サヨナラと肩書付きの場面で打ちたいですね」

 目の前の記録だけを目指しているわけではない。万全の状態で開幕を迎えるため、自らを鼓舞するかのように、抱負を口にした。

 恒例となったアリゾナ自主トレ。今季は初めて単独で5日に現地入りした。これまでは、今季育成コーチとなった斎藤、長谷川らが同行したが、40歳を迎えるにあたり、パターンを変えた。ジムでの体力強化、グラウンドでの実戦練習を行っているが、思った以上のペースで調整は進んだ。

 「いつも大所帯だったので寂しい部分もありますが、自分のために時間が作れています」

 今オフは、一塁のライバルとしてカブレラが加入。定位置争いの現実も待ち受けるが、負けるつもりはない。米国にもファーストミットだけを持参。指名打者を兼ねるつもりなど、まったくない。

 「カブレラも一塁しかイヤだと言うでしょうし、僕も絶対に一塁しかやりません。負けたくないというより、ケガなどでスキは与えたくないですから」

 米国滞在中の2週間あまりで、体重は88キロから92キロまでアップ。体脂肪を減らしながら筋肉量を増やすことに成功した。実際、今季から統一される「飛ばないボール」に関しても、動じることはない。

 「条件は全員、全球団一緒。大振りせず、形を意識しながらやりたい。あとはキャンプで慣れるだけです」

 対策として、トップの位置をやや深めに設定し、左手の張りを意識。本塁打へのこだわりを持つ打者として、より強い打球を打つフォームに微調整した。

 今季は日本ハムに斎藤佑が加入。楽天岩隈も残留するなど、リーグ内の競争も激化し、注目度も上がる。

 「(斎藤君のように)1人でお客さんを呼べる選手は少ないし、ウエルカム・パ・リーグ。対戦が楽しみですね」

 通算400号、2000本安打、リーグ連覇、日本一…。大ベテラン小久保の高い志は、まったく衰えていない。

 [2011年1月23日11時14分

 紙面から]ソーシャルブックマーク