サッカー日本代表MF本田もビックリのブレ球だ!

 阪神岩田稔投手(27)が持ち球「動く真っすぐ」を進化させた。24日、鳴尾浜で自主トレ。今月19日まで鹿児島・薩摩川内市内で行った合同自主トレで統一球を使い、予測不可能な軌道の変化球を習得したと明かした。左肘痛からの完全復活へ、また1歩近づいた。

 本田圭佑ばりのブレ球か、漫画の世界の「分身魔球か」。岩田が、必殺の魔球を手に入れていた。球速はストレート並みで、それでいて予測不能な動きをする。今月13日から19日まで鹿児島でソフトバンク杉内らと3年連続の合同自主トレを行った。今季導入される統一球でキャッチボールを行い、手応えをつかんだ。

 岩田

 もともと勝手にボールが動いていたけど、ツーシームとかも今まで以上に動くようになったのは確かだと思う。まだ今は(人さし指の内側に)マメを作っている段階。強めのキャッチボールまでしかできていないんですが。ボールを受ける人の捕り方を見てもそう。僕とキャッチボールするのが嫌そうでした…。

 鹿児島での自主トレでは、ソフトバンク2年目、川原がキャッチボール相手となった。この19歳左腕が岩田独特のムービングボールに大苦戦。ただの直球、ツーシームに体勢を崩す。さらに弾く…。川原は、こう振り返った。

 川原

 変化が一定じゃないんです。伸びながらシュートする時もあれば、いきなり沈んだり。球もすごく重い。あんなボールは見たことがないですよ。見ていたら回転は普通の直球と同じ。キャッチボールでも捕れないぐらいだから、打者は厄介だと思います。

 もともと不規則に動く直球が持ち味。昨春沖縄キャンプ中には、城島から「彼の持ち味は真っすぐの汚さ。日本にはきれいなフォーシームを投げる投手が多いから、汚い真っすぐが武器になる」と絶賛された。そんな魔球のさらなる進化を後押しするのが、今季から導入される統一球だ。

 昨秋の高知キャンプ中、久保投手コーチは新球について、縫い目が低くなって、より完全な球体に近づいたと分析。「サッカーのボールに似ているかも。ボールに対する空気抵抗が変わって、ムービングボールが従来よりも変化するかもしれない」と予測していた。追い風が吹いている。

 岩田

 思った以上に順調。すごく動けている。体重は変わっていないのに、筋肉がついてきているのかな。とりあえず今季はケガしないように。1年投げれば結果はついてくる。監督、コーチ、周りから信頼されるようになりたい。

 09年は左肩痛で開幕から大きく出遅れ、昨季は左肘手術で1年を棒に振った。統一球を味方につけ、2年分の悔しさを左腕に込める。【佐井陽介】

 [2011年1月25日11時5分

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