レギュラー奪取を狙う2年目の横浜筒香嘉智内野手(19)が、初の実戦で結果を出した。紅白戦で4番一塁で出場。第1打席で遊撃への内野安打を放つと、第2打席では内角のカットボールを右翼線へ運ぶ適時二塁打とした。尾花監督が「見事な当たり。もう少し角度がつけばスタンドまでいくだろう」と、絶賛する一打だった。

 しかし、筒香は結果だけを喜んではいなかった。「いい当たりでしたが、右翼線ではなく、右中間か右翼越えにすべき球だった。カットボールの分だろうけど、バットが外から出ているかも。映像を見て確認します」。目指すところの高さを見せた。

 志の高さは打撃練習にも表れている。19歳で初めての1軍キャンプ。首脳陣に飛距離を見せつけたいところだが、フリー打撃でフェンス越えはほとんどない。体が前に流れず、軸の回転で打つという課題に専念している。「ボクにも本塁打をという気持ちはあります。でも、ボクの場合、右翼へ飛ばすことばかり考えていると、打撃がおかしくなっても気付かない。それでは困りますから」。そしてポツリと付け加えた。「結果は試合でと思っています」。しっかり自分を見据えて練習に取り組んでいる。

 もちろん課題は多々ある。高木打撃コーチは「トップの位置が浅いからボールとの距離が取れていない」と指摘するが「ただ、今は細かいことは言っていない。実戦を積んで壁にぶつかった時でいいでしょう」。期待の大器を、大きく育てていく考えだ。明るい話題が見つけにくいチームにあって、筒香の存在は希望の光といっていい。【飯島智則】

 [2011年2月11日7時50分

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