開幕投手の阪神能見篤史投手(31)が17日、オリックスとの実戦形式の合同練習で、開幕前最後の登板を5回4安打2失点で終えた。直球の最速は142キロ。調子が上がらない中で、速いテンポと緩急でピンチを最小限に食い止めた。次回登板は中7日で、25日の開幕戦ヤクルト戦(神宮)に向かうことになる。

 「内容もよくない。うまいこと使えんな、体が。全然です」。

 登板後には、歯がゆい思いを口にした。最高気温5度で、試合中にはみぞれもちらつく悪条件。春季キャンプ以来続けてきた「ゼロ行進」がついに途切れた。

 2点リードの3回。2死三塁から、3番後藤に外角高め直球を左中間に運ばれ、適時打を許した。5回も2死二塁のピンチを粘りきれなかった。坂口に横手から投げたスライダーを拾われ、左前適時打となった。

 それでも、真弓監督の信頼は揺るがない。

 「そやね。順調じゃないの」。

 試合後に、3月25日の開幕が正式に決定した。本番まで残り7日。東京の夜も厳しい寒さが続く。大役を託された左腕は、気を引き締めた。

 「あとはしっかりね」。

 微調整を経て、開幕を迎える。【鎌田真一郎】