<オープン戦:日本ハム3-12阪神>◇21日◇札幌ドーム

 不調でもゼロ行進を続けた。阪神久保康友投手(30)は日本ハム戦に先発し、6回4安打無失点に抑えた。直球は最速140キロ止まり。「低めに決まったボールはなかったんじゃないか」と制球にも不安を抱えながら、結果を残した。

 「最後の最後で、やっと(調子が)悪いのが来た。0は結果だけど、打者にスイングをされなかったのは収穫」。

 オープン戦は3試合に登板し15イニング無失点。防御率0・00のまま開幕を迎える。過去2度は、調子がいい中での登板。「良すぎて困る」という不安も解消はした。「これは大きい1試合になると思います」。これまでで一番の手応えを口にした。

 打たれても学び取る。1回に糸井、2回はホフパワーに逆方向となる左中間への二塁打を許した。この痛打で、統一球の飛び方を身をもって感じとった。

 「ここのドームはボールが伸びる。球場によって飛び方が違う。統一球は飛ばないというけど、そう思いすぎるのも間違い」。

 前回は10日の西武戦(甲子園)。登板翌日に東日本大震災が発生し、試合予定が大幅に変わった。投手陣の調整にも、大きな影響を与えた。久保は「投げさせたい投手から投げさせてください」と投手コーチに申し出た。「どんな状態でも結果を残すのがプロ」というのが持論。投手事情を優先しながら中10日のマウンドで責任を全うした。

 もう1度調整登板をはさんで、シーズンは2カード目となる4月1日横浜戦(横浜)先発が有力。右の大黒柱が臨戦態勢だ。【鎌田真一郎】