エノキはジョーカー!

 阪神ドラフト1位の榎田大樹投手(24=東京ガス)が29日、中日との練習試合(京セラドーム大阪)に先発し、5回64球で無四球1安打無失点と好投した。同戦に先発予定だった能見が前日28日に発熱ダウン。急きょ回ってきた先発マウンドで対応能力の高さを証明し、竜キラーを襲名した。

 榎田

 今日投げることに変わりはなかったし、普段通りの投球をしようと思っていた。和田さんに森野さんにと、雰囲気があったけど、自分のことをしっかりやるだけでした。

 当初はこの日ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)に登板予定だった。相手、イニング数が変わっても、まったく意に介さない。5回を3奪三振で1人の走者を許しただけ。3番森野からは外角直球を勝負球に使い、2打席連続で見逃し三振を奪った。

 首脳陣は開幕中継ぎスタートを決定済み。東京ガス時代から経験している救援登板が増え、レベルアップに必死だ。1歳下ながらプロの1年先輩にあたる藤原から救援の心得を勉強。「良いお手本です。中継ぎは何度も肩を作るので試合前のブルペンの球数、キャッチボールの球数を少なめにしたり…」。そんなまじめルーキーに対し、首脳陣の評価は高まるばかりだ。

 山口投手コーチ

 ジョーカーで使える。先発ローテに入る力はある。(中継ぎ起用は)編成上の問題。6連戦で3試合ぐらい大事なところを投げてくれたら。

 中継ぎはもちろん、ロングリリーフも可能。スクランブル先発では竜を軽々抑え、ローテ入りを狙う素材だ。万が一の有事が起こった時、虎にはジョーカー榎田がいる。【佐井陽介】