楽天山崎武司内野手(42)が激走した。3月31日の練習試合・西武戦で、左足首に痛みを抱えて全力疾走。初回、ボテボテの内野ゴロで適時失策を誘い、外野フライで一塁から二塁へのタッチアップまで決め、3点先制に絡んだ。前日の全体ミーティングで、星野監督が走塁面を注意したばかり。チームでもっとも足の遅いベテランが、足を引きずりながら闘将の思いに応えた。

 意を決してスタートした。1回無死一、三塁。高須の中犠飛で三塁走者だけでなく、一塁走者の山崎も走った。必死に手足を動かし、100キロ超の巨体を揺らした。間一髪で二塁セーフ。チーム最年長の激走に、楽天ベンチはお祭り騒ぎで「前から監督には口酸っぱく言われてた。準備して、スキがあったらいこうと思っていたよ」。してやったりの表情を浮かべた。

 42歳の体にムチ打って「走る野球」を体現した。前日30日の全体ミーティングで、星野監督は走塁面の意識改革を促して怒鳴りつけたばかりだった。山崎の激走を筆頭に、好走塁が得点につながる展開に、指揮官は「今日は走塁でいい形が出ていた。いい走塁ができれば、向こうも慌てる」とニンマリ。二塁に激走した山崎は直前の無死満塁の打席でも、ぼてぼての三ゴロを放って全力疾走。相手の送球が足に当たり、適時失策を誘って2点を先制。闘将の意をくんで、チームの目指すべき方向を全力疾走で示した。

 足を引きずっていた。3月29日西武戦で左足首に自打球を当てた。1試合欠場しただけで、すぐに4番DHでスタメン復帰し「歩くのが一番痛いけど、試合では忘れた。ケガでスキを見せれば、それだけチャンスを与えることになる。走れなくなってやめた選手を何人も見てきた。全力疾走できなくなった時は、ユニホームを脱がないといけない」。シーズン同様の覚悟をもって、自主トレから走り込んだ成果を見せた。

 3日の日本ハム戦(札幌ドーム)で先発予定のルーキー斎藤との対戦を心待ちにしている。「佑ちゃんがどんなボールを投げるのか楽しみだねえ。プロで25年目になるけど、向こうは22歳。生まれてない時から野球やっとるわけだからね」。全力で走って、全力で打つ。まだまだ気持ちの若い42歳が、星野楽天の土台を固める。【柴田猛夫】