広島のドラフト1位福井優也投手(23=早大)が3日のヤクルトとの慈善試合で神宮球場に凱旋(がいせん)する。先発で100球程度をメドに投げる見込みで、早大時代に慣れ親しんだマウンドをプロ野球選手となってはじめて踏みしめる。大震災でナイターが開催できないなど影響を受ける神宮で、野球ができる喜びをかみしめて投げる。

 かつての“庭”で開幕へ弾みをつける。福井は、3日に神宮球場で行われるヤクルトとの慈善試合に先発する見込みで、100球、5回程度がメド。大学時代、6大学野球のリーグ戦や明治神宮大会で通算38試合に登板したマウンドが舞台となる。

 福井

 (神宮は)投げ慣れているというか、投げやすいですね。マツダもそうですけど。

 相手のヤクルトには青木や田中ら早大の先輩も多い。「打たないでほしいですね」と笑顔でお願いした。

 3月24日の阪神との実戦練習で、5回を4安打無失点と好投した。今度はそれ以上のイニング、内容が求められる。

 福井

 前回よりは少し余裕を持って投げられるのかなと思いますが、しっかり緊張感を持って自分の投球ができるようにしたい。5回というより、1イニング、1イニングを勝負するつもりで投げます。大学時代からそういうスタイルでしたから。

 早大時代は、抑えに切り札の大石(現西武)がいたため、6回を投げきることを念頭にマウンドに上がったという。プロでも1回を抑えきる投球を積み重ねるつもりだ。

 東日本大震災で、関東に住む友人知人も計画停電などで影響を受けている。友人から電池が不足していると聞いて、広島の街で電池を探し歩いたこともある。プレーできる喜びをかみしめながら、マウンドに立つ。友人たちが観戦に来てくれれば、成長した姿を見せることもできる。

 そして、神宮でも結果を残せば、開幕ローテーション入りが確実なものとなる。3月31日、先発枠を争う今村が1軍に戻ってきた。ライバルは多いが「自分がやるべきことをやれば大丈夫だと思います」と自信を見せる。目標に向かって突き進むだけだ。【高垣誠】