<ロッテ5-2楽天>◇14日◇QVCマリン

 ロッテが地の利を生かした足攻で今季初勝利を手にした。7回無死一塁で、打席の岡田幸文外野手(26)には送りバントのサイン。「岩村さんが前に出ていたので、投手との間を狙った」というバントは、柔らかい人工芝に包まれ止まる内野安打になった。続く荻野貴司内野手(25)も三塁線上へバント安打を決めた。

 人工芝を張り替えたばかりのQVCのもう1つの特徴は、三塁線のゴロがファウルゾーンからフェアゾーンに戻ってくること。「それは頭に入ってました。ライン際を思い切って狙えますし、楽にバントできる。去年までだったらファウルだった」と荻野貴。無死満塁として勝利につなげた。

 この球場での戦い方を考えさせられるプレーだった。楽天も3回に2つバントヒットを記録した。さばいた今江は「ここまで打球が死ぬのは他にない。西武ドームが似てるけど、新しい分こっちの方が死ぬ」と対応に苦慮した。上川内野守備走塁コーチも「打球が死ぬのとフェアに戻ってくるのは、今日、見ていた他球団のスコアラーもチェックしただろう。この特徴を味方にできるようにしないといけない」と、今後に生かしていく構えを見せた。

 8月13、14日に球場内に鉄板を敷いて行われるロックフェスタが終われば、今は立ってる人工芝が寝てしまう可能性はある。だが、生かせる限りは、地の利を味方につけていく。【竹内智信】