<オリックス3-5ソフトバンク>◇14日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンク松中信彦外野手(37)が、節目の一打で打線に火をつけた。2回表の第1打席。先頭で打席に入ると、オリックス先発フィガロの高め直球を振り抜き、中前打で出塁した。この一打で、通算3000塁打を達成。記念の一振りで前日まで湿っていた打線を刺激し、この回一挙5得点の猛攻につなげた。

 「よく積み重ねてきたなという思いもありますが、まだ通過点と思ってこれからもチームのために打っていきたい」。

 プロ15年間で積み重ねた記録よりも、何より白星が欲しかった。小久保が離脱し、5番に昇格した13日は無安打。完封負けの責任を一身に背負った。だがこの日は、チームリーダー不在の中、ナインの気持ちを明るく盛り上げた。試合前練習を終えると内川を誘いベンチ裏で一緒にミートソースパスタを食べた。

 「ジャストミート・ソース食べたから今日は大丈夫やな、ウッチー」。

 8回にも中前打を放ちマルチ安打をマークするなど、今季は打撃に大きな手応えを感じている。開幕前日の11日に練習を終えると、大事に1本のバットを握り締めて宿舎へ帰った。その夜は大事な商売道具を抱いて眠りについた。

 「去年は忘れちゃったからな」。

 右膝手術で出遅れ、開幕2軍スタートだった昨季は例年開幕前に行う「儀式」を忘れてしまった。節目の一打でチームを“開幕”させた男が、大黒柱である小久保の不在を埋める。【倉成孝史】