<ソフトバンク3-2西武>◇15日◇福岡ヤフードーム

 西武の新人サブマリン牧田和久投手(26)が、公式戦初先発で8回途中1失点と好投した。最速131キロの直球と緩い変化球を効果的に使い、強力ソフトバンク打線を2安打に抑えた。8回1死から初めての四球を与えて降板。救援陣が追い付かれて初勝利は逃したが、静岡・静清工(現静清)-平成国際大を経て日本通運からドラフト2位で入団したオールドルーキーは、堂々とした投球を披露した。

 初完封が、初勝利が、すべてが逃げていった。周囲に与えた衝撃と、本人が感じた悔しさとのギャップ。西武牧田にとっては不満が残るデビュー戦だったかもしれない。

 完封ペースの8回1死、アクシデントが起きた。長谷川にこの日初めて四球を与えると、右手中指にできた血豆で無念の降板。チームのサヨナラ負けに「(負けた瞬間)言葉が見つからなかった。負けの流れをつくってチームに申し訳ない」とうなだれた。

 それでも残したインパクトは色あせない。下手から繰り出す最速131キロの直球を軸にテンポよく投げ込んだ。104球のうち69球が直球という“パワーピッチング”。真っ向勝負を挑むサブマリンルーキーを、相手打線は誰も止められなかった。「アクシデントがなければ完封できた。データがなかったのもあると思うけど、自信はついた」と言い切った。渡辺監督も「申し分ない。(何もなければ)たぶん最後までいかせていた」と残念がった。

 尊敬する選手はロッテ渡辺俊。ただ、目指す投手像は違う。「俊介さんが『柔』で自分は『剛』だと思う」。多彩な変化球で打者を幻惑する先輩と、直球で押しまくる自分。実際に7日の練習試合で投げ合ってタイプの違いを再認識した。「山田久志さんのように直球で押せる投手になりたい」と口にした入団会見。大きな可能性を感じさせる初先発だった。

 早くも次を見据えている。「(血豆は)1週間で治ります」と断言した。マウンドを降りたことが悔しい。だから、今度こそ投げきる。この無念を晴らす日が、近いうちにきっと来る。【亀山泰宏】