<横浜8-11広島>◇21日◇横浜

 三塁側ファウルゾーンは、2号ソロを含む4安打3打点と活躍した広島丸佳浩外野手(22)の独り舞台と化した。試合直後。お立ち台でインタビュアーに「あと三塁打が出ればサイクル安打でした」と問われ、驚きの表情で言った。「ホントっすか?」。数秒の沈黙に周囲は爆笑。「全然知らなかったです」と照れ笑い。売り出し中の22歳が、無我夢中で1球を追いかけていた証拠だ。

 またもチームを救う一撃を放ったのは4回。逆転された直後だった。先頭で清水の外角速球を強振すると、低い弧を描いて右翼席へ。「初球から強く振りに行こうと。バットの先だったので、入ると思わなかった」。試合を振り出しに戻す2号ソロを振り返った。

 4試合連続のスタメン出場。3打数無安打に終わった前日20日の反省から積極的に打ちに出た。6回に右中間適時二塁打、7回に右前適時打。19日にプロ初本塁打を放った男が4安打3打点で打線を引っ張った。今季初めて先発野手全員安打を記録するなど14安打で、09年以来2季ぶりの6連勝。04年4月24日以来の貯金4で首位をキープ。ゴールデンウイークを前にすっかり「コイの季節」の到来だ。