中日落合博満監督(57)が悩める3、4番に“オレ流打撃修正術”を伝授した。30日、ソフトバンクとのセ・パ首位決戦を翌日に控えた落合竜は福岡ヤフードームで全体練習。グラウンドに姿を見せた落合監督は打率2割3厘の森野将彦内野手(32)、同2割3分9厘の和田一浩外野手(38)にノックをするよう命じた。

 「ベンちゃん、これでノックやってみな」。

 指揮官はそう言うと「OCHIAI」と書かれた自らのノックバットを和田に渡した。ところが森野と並んで外野へ向けてのノックを始めた和田は四苦八苦。なかなか打球が上がらず、空振りする場面もあった。

 「フフフッ、ベンちゃん、振り切ったところで自分の姿を確認してみな。やっぱ格好よく打たなきゃ」。

 落合監督は現役時代、ノックで打撃修正をした。周囲からは奇異な目で見られたというが、自然と理想的なトップの位置が決まること、上からボールをたたかなければ飛ばせないことから、打撃フォームの確認にもってこいだったという。まるで“魔法のつえ”のような効果があったわけだ。

 「まあ、あの2人は迷っているんだから、遊ばせてやればいいじゃないか」。

 交流戦無敗のパ王者ソフトバンクとの決戦を前に与えたオレ流のヒント。和田は「いい投手が来るし、目の前の1戦1戦です」と語り、森野も「よくはなってきているから考えすぎないようにしたい」と前を向いた。打線のカギを握る2人が復調すれば、セ首位のオレ竜も無敵モードに突入する。【鈴木忠平】