栗原よ、カープの歴史をつくれ!

 広島の主砲・栗原健太内野手(29)が21日、出場選手登録日数が計8年に達し、国内移籍が可能なフリーエージェント権(FA権)を取得した。球団は今後、慰留に努める方針だが、松田元オーナー(60)は「カープの歴史に残る4番になってほしい」と熱いエールを送った。

 栗原が、プロ生活12年目にして国内FA権を取得した。1軍の主力選手としてプレーを続けてきた証しでもある。この日、FA交渉で球団側の窓口となる鈴木球団本部長も、権利取得までの頑張りをねぎらったという。

 栗原

 (権利を取ったという)実感はないですね。ここまで来たのかという感じはありますけど、今は全然何も考えていません。自分のことで精いっぱい。チームに貢献できるようにやっていくだけです。シーズンを終わってどう思うのかも分かりません。

 球団は残留要請のため、シーズン終了を待って栗原と話し合いを持つ意向だが、松田オーナーは、残留のみならず、真の4番打者への成長を期待する。

 「4番打者として、カープの歴史に名を残すような打者になってほしい」。

 カープ歴代の4番といえば、ミスター赤ヘル山本浩をはじめ、山本一、衣笠、小早川、江藤らそうそうたる強打者が並ぶ。同オーナーは、栗原が偉大なスターたちと肩を並べる日を楽しみにしている。

 「栗原はまだ未完成と思っている。リーダーとしてチームに勇気を与えられる選手、チームの勝敗を背負える選手になってもらいたい。それができる能力が彼にはある」。

 栗原は08年に全144試合で務めるなど、ここまで399試合で4番に座っている。今季は5番でスタートしたが、トレーシーが離脱したため、5月末から4番に復帰した。打てば称賛、負ければ罵声が飛ぶ。歴代の4番打者はそんな修羅場を乗り越えてきた。

 栗原

 (4番の)理想からすれば全然ですが、状態が良くなくても結果を残さなくてはいけない立場。ちょっとずつ成長はしていると思いますが…、今は状態を上げようと必死です。

 交流戦では本塁打こそ1本だが、打率は3割2厘と調子は上向き。FA権のことはいったん胸にしまい、リーグ戦再開の24日中日戦からコイの4番が打ちまくる。【高垣誠】