西武が浅村栄斗内野手(20)を1番で起用する可能性が出てきた。今日24日から再開されるリーグ戦では得点力アップが重要課題。なかでも不動のトップバッターを務めてきた片岡易之内野手(28)が打率2割3分7厘、出塁率3割1厘と本調子になく、首脳陣は打順変更を検討している。積極果敢な打撃スタイルの浅村を1番に抜てきするなどして、借金4、リーグ4位からの巻き返しを図る。

 浅村が高校時代慣れ親しんだポジションに座るかもしれない。開幕して以来、1~4番は不変だったが、ここに来て1番片岡、打率2割2分6厘の4番中村らの調子がいまひとつ。交流戦を終えて渡辺監督は「主力にしても、後ろを打つ人にしても、機能していない部分がある。新しく入った人が機能すれば得点力は上がる」と、大幅な打順組み替えを示唆していた。

 得点力アップには上位打者の出塁率向上が必須。1番を変えるとすれば、代役に浅村や栗山の名前が挙がる。ここまで6、7番での起用が多い浅村は出塁率3割4分2厘と数字的にはまずまず。持ち前の超積極打法でチームに勢いをつけることも期待できる。大阪桐蔭では3年夏に1番打者として甲子園優勝を経験。交流戦後も本職ではない外野守備に「どこで使ってもらえるか分からないですから」と意欲的に取り組んでいる。また、得点圏打率チームトップの栗山は中軸起用もあり得る。一方、片岡にとっては、打順変更が復調のきっかけとなる可能性もある。

 渡辺監督は、片岡が4月中旬に20打席連続無安打と不振に陥った時も、リードオフマンを動かすことはなかった。現在の並びへの思い入れは強いが、交流戦が終わり、上位追撃へ勢いを加速させたいタイミングではある。この日の全体練習後も「下位にいるチームは追いかけるしかない」と話していた。すでにルーキーサブマリン牧田を先発から抑えに配置転換。慎重を期して、次なる勝負手を打つ。【亀山泰宏】