阪神金本知憲外野手(43)が、巨人戦後の「燃え尽き症候群」を吹き飛ばす。今日28日、富山で広島と対戦するが、同球場は96年の球宴で逆転2ランを放ってMVPに輝き、08年に通算400号アーチを放った思い出のスタジアム。「7番左翼」で先発濃厚のベテランが、勝利をグッと引き寄せる。
アニキには意外な「庭」がある。富山だ。この日、ナインとともに3時間以上も特急に揺られて当地入り。現役最多の33球場でアーチをかけている金本だが、富山は中でも相性がいい。通算13試合で打率3割8厘と突出はしていないが、内容にインパクトがある。
まずは96年の球宴。初めて地方球場で開催された祭典で当時広島の金本は2回に逆転2ランを放ち、MVPを受賞。第2戦で「投手・イチロー」が物議を醸し、日本中が注目していた第3戦で若かりしアニキが輝いた。中堅後方にそびえる立山連峰に向かってまっすぐ伸びる、バックスクリーン弾だった。
06年、08年とここ2試合連続で本塁打を放つなど公式戦でも計3本。特に印象に残るのは前回の08年だ。同じ広島戦で9回に横山から通算400号の記念弾を放り込んだ。「富山のファンが期待しとったから」。大雨の中、最後まで観戦してくれた富山の虎党を喜ばせた。
今年も大暴れの予感が漂う。26日の巨人戦は休養と対沢村の戦略的な事情が重なって先発を外れ、代打に回った。ただ、心配は一切無用。気温の上昇に合わせるように体の動きには鋭さが増している。
和田打撃コーチが証言する。起用法は今度も真弓監督に委ねられているが、「もともとバットが振れていたけど、さらに力強くなってきた。大丈夫。いい状態にして監督に渡したい」と評価した。26日には通常入らない試合前のシートノックにも加わり、ファンの前で力強い送球を見せた。棘(きょく)上筋断裂の右肩も目に見えて快方に向かっており、不安要素は日ごとに解消されている。
リーグ戦再開の最初のカードは巨人に2勝1敗と勝ち越した。だが巨人戦阪神にウワサされる「巨人戦燃え尽き症候群」が待っている。さらに相手の先発予想は阪神が苦手とする“初モノ”のルーキー福井。阪神にとってマイナスな状況が重なるが、ジンクスに負けているようでは逆襲Vなど遠い夢だ。富山に強いアニキが不吉なシンドロームを吹き飛ばす。【柏原誠】



